これはJCOの臨界事故の頃に書いた文章です。実際に被爆されて被害にあった方、その恐怖を味わった方々に対しては大変失礼な、本当に不謹慎な文章ですので、没にしたものです。あれからだいぶ時間も経ったのでアップします。ジョークです
不謹慎な投資について  
 
 昔テレビで見たことがあるのですが、何回か前のハレー彗星接近のときに、「彗星が一番地球に近づいたとき、3分間だけ地球上の酸素が無くなる!!」というデマが広まって、その3分間をなんとか過ごすために自転車のチューブを買いに走る人が多く出たそうです。そのデマは誰が流したのか知りませんが、自転車屋さんの陰謀だったのかも・・・。3分という、がんばれば何とかなるかもしれない時間の設定が、なんともお上手ですよね。
 その話はもちろんデマだったのですが、もし本当にそんなことが地球上に起こったら、けっこう面白いかもしれません。世界中の人類、すべての人が、その「3分間」を同時に体験する。文化や宗教を越え、あらゆる人が、それぞれの3分間を経験するのです。ある人は孤独に、ある人は恋人と手を握り合いながら、ある人はカップヌードルにお湯を注ぎながら・・・。映画タイタニックよりスケールが大きくて感動的かもしれません。
そして、無事その3分間を乗り越えることが出来た人は、生まれ変わったような気分になり、「そうか、一番大切なのは命なんだ!生きているって事が、それだけでこんなにも幸せなんだぁ!」と急に自然派的思考になり、社会が自然環境と調和した理想的な社会になっちゃったりして・・・。

 それで、先日の臨界事故は冗談じゃなく、真剣に大変な事故だったのですが、不謹慎にも私は「ハレー彗星の3分間」の話を思い出してしまったものですから、次々に不謹慎な想像が膨らんでしまいました。
 もし、あの時「体中にアルミホイルを巻きつければ、被爆しないらしい・・・」というデマを流したらどうなっていたでしょう?。
 実は、アルミホイルを大量に買いだめして、「その時」が来るのを淡々と待っていた悪い奴がいて、わずか数百円のアルミホイルを「その時」が来たら数万円で売ろうと、たくらんでいた・・。そして、いざ「その時」が来て、その男は大儲けに成功する。茨城県の原子力施設周辺では、町ゆく人々すべてが全身にアルミホイルを巻いている、その町の風景は宇宙ステーションさながらである。自転車の前と後ろに子供を乗せたお母さんも子供も、タバコ屋のばあちゃんも、お散歩の犬までも・・・。
 ところが、流されたデマ、つまりアルミホイルは、じつは本当に効果を発揮して、素直に信じて、命のために大枚を払った人は、みんな全身にアルミホイルを巻いていたので助かった。デマを流して大儲けをした男は、アルミホイルを巻かないで、お金を数えてばっかりいたので、被爆して死んでしまいましたとさ・・・・。

 そんな話を考えながら日々トラックを運転し、私は野菜を配達しています
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