野菜を購入していただいているOさんの玄関先に古いエビスビールの木箱がありました。
この木箱が一体何年前のものか不明ですが、焼き入れ刻印された「エビスビール」の文字が右から左に書かれているので相当昔のものであると思います。
反対側を見ると天使がビールを注いでいます。
さらに木箱の底(地面と接する部分)を見ると、恵比寿様の図が焼き入れされています。
上の写真ではわかりにくいので、拡大したのが下の写真、かなりの細密な絵です。
私はこの木箱を見て、ビールを作り世の中に送り出す製造者の夢と誇りを感じ、そして最高の贅沢としてビールを飲む消費者の興奮などを想像し、「なんて豊かなんだろう!」と思いました。
同時に「今の世の中は安価で何でも手に入るけど、チープだよなぁ」と感じました。
この木箱でビールが売られていた時代は、おそらく一握りのお金持ちの人しかビールを飲むことはできなかったのだろうとおもいます。
今は「ビール風発泡酒」などは炭酸飲料とたいして変わらない価格で売られていて、誰でも手軽に飲むことができます。「みんながビールを飲める豊かな時代になった」とも言えるのですが、本当にそうでしょうか?。この木箱の時代の格調の高さに比べると、中身も容器も箱も薄っぺらで「ありがたみ」も薄れているように思います。
「季節限定」とか「氷温なんとか」とか「二段熟成」とか、コピーライターが考えるフレーズに踊らされているけど、中身もその存在も、本来からかけ離れている気がします。
「ビール」がいつのまにか「発泡酒」になり「アイスクリーム」が「アイスミルク」になり・・・。
戦後の日本は高度経済成長を経て豊かになったのか?本当の豊かさってなんなのだろうか?
心を込めて作った「本物」を、心を込めて消費する。そういった時代のほうがむしろ「豊か」だったのではないかと思えてなりません。