夢の舞台で

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8年前の話、群馬県の農家の次男Tくんが高校野球の予選で神宮球場でプレーするというので、当時小学校3年生だった長男を連れて観に行ったことがありました。

私はTくんが生まれた頃から知っていて、よく遊び相手をしていたのですが、幼い頃は人懐っこくておちゃめな子でした。そのTくんがいつのまにか高校生になり、鍛えぬかれた立派な体になり、神宮という舞台に立っている。ただその姿を見るだけで私は感動して涙が出そうになりました。

当時野球を始めたばかりのうちの息子も、青い空と照りつける夏の日差しの中、高校球児たちの全身全霊のプレーをみて、野球の真髄を感じ取ったと思います。選手達への尊敬の念、スタジアムを包む神聖な空気を感じ取ったことだと思います。

tatukikei.JPG 8年前神宮にて Tくんと

その後Tくんは高校を卒業し、イタリアに料理の修業をしに行くことになったのですが、旅立つ前にうちに寄ってくれて「おれは甲子園に行けなかったけど、おまえは頑張って甲子園行けよ!」と言って神宮球場で使った白いバッテインググローブを息子にプレゼントしてくれました。そのバッティンググローブは、何万回にもおよぶ素振りによってボロボロになり、穴が開き、Tくんが流した汗が染み込んでいるものでした。

それ以来息子は「高校生になったらTくんみたいになって、神宮でプレーするんだ」ということを目標に野球を続けました。

そして8年の月日が経ち息子も高校生になりました。

息子が進学した学校は比較的新しい都立高校で、野球部も歴史が浅く、大会でも一つ勝てるか勝てないか?というまだまだ弱小のチームです。東京都下に何百という学校があるので、甲子園の前に、神宮球場でプレーすることすらも非常に難しいことなのです。

私も、自分の息子の名前が神宮球場でアナウンスされる日がくることを夢見てきましたが、それすらもかなり難しいという現実がありました。

しかし、今年の夏の大会で、くじ運良く1回戦で神宮球場でプレーできることになってしまいました。

こんなに簡単に夢がかなって良いのでしょうか?一回も神宮の土を踏まずに終わっていく高校球児がたくさんいるのに、一回戦から神宮球場・・・。きっと野球の女神が「あなたはここに来なさい」「この舞台に立って、あなたの全身全霊をかけたプレーをしなさい」と配慮してくれたのではないかと思います。

 白いバッティンググローブを着用し、息子は夢の舞台に立ちました。

  keijinnguu03.JPG

keijinnguu04.JPG

タイムリーツーベースヒット!できれば満塁のチャンスに打って欲しかった・・・。

tatuki.JPG

フジテレビマークとTくん

keijinguu.JPG

フジテレビマークと息子

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